コエンザイムQ10(CoQ10)
脳機能改善のためには忘れてならない重要な栄養素があります。
コエンザイムQ10というと美肌や抗酸化、アンチエイジング等の「女性がキレイになるための栄養素」というイメージがありますが、認知症(アミロイドβが関与するアルツハイマー病)にもその予防効果が最近の研究から知られています。
少し難しいですが、最近の認知症とコエンザイムQ10(CoQ10)の研究結果をお伝えします。
【コエンザイムQ10の認知症予防効果に関する報告】
さらに、コエンザイムQ10を投与したマウスを用いたMorris水迷路試験(※2)による評価において、認知機能の改善も認められています。この結果からも、CoQ10の抗酸化作用を介したアルツハイマー病の予防効果が示唆されました。
※1 アミロイドβ42(Aβ42)とは
通常多く見られるアミロイドβはアミノ酸が40個つながったアミロイドβ40。ところが、東大の岩坪教授らは、患者の脳にアミノ酸が42個つながったアミロイドβ42が蓄積しているのを発見。アミロイドβ42は脳内で固まりやすく、タウタンパク質の蓄積を促しアルツハイマー病発症に重要な役割を果たしていた。
※2 Morris水迷路試験とは
水の入った円形のプール内で、水面下の逃避台をマウスに泳いで探索させる空間記憶測定試験
【パーキンソン病のコエンザイムQ10欠乏に関する報告】
次の報告は神経科学専門誌に投稿された『パーキンソン病患者のCoQ10欠乏』に関するものです。(Mischleyら、J Neurol Sci. 2012 Jul 15;318(1-2):72-5)
なぜここで、認知症ではなくて、パーキンソン病の結果をお見せするかというと、神経変性疾患であるパーキンソン病の場合はアルツハイマー病と同様に、活性酸素による酸化ストレス障害の関与が示唆されているからです。
この研究報告では、22名のパーキンソン病患者群 と 88名の対照群(パーキンソン病でない人たち)の2群で2004年から2008年にかけて「内在性コエンザイムQ10の値」と「コエンザイムQ10以外の抗酸化物質(グルタチオン、ビタミンE、セレン、αリポ酸)の値」を調べています。
図1. パーキンソン病患者における抗酸化物質の欠乏
図1に示すようにパーキンソン病患者群ではパーキンソン病ではない人達に比べてコエンザイムQ10が低値であり、コエンザイムQ10が欠乏している人たちの割合がパーキンソン病患者群で対照群の方が多かったことが判明しました。その一方で、他の抗酸化物質についてはパーキンソン病の患者とそうでない人たちの間で差はみられなかった。
以上の結果から、パーキンソン病ではコエンザイムQ10欠乏が顕著であり、臨床研究においてもコエンザイムQ10のパーキンソン病患者への投与による予防改善効果が示されています。
尚、CoQ10の抗酸化作用を期待する場合には、
と思われます。
ただ、還元型コエンザイムQ10は空気に触れると簡単に酸化される不安定な物質であり、製剤化に難があります。。。
その問題を解決したのが
です。
このサプリメントは、従来、脂溶性のために生体吸収性の低かったコエンザイムQ10の吸収性を飛躍的に高めると同時に、小腸内において還元剤であるビタミンCによって酸化型コエンザイムQ10から還元型コエンザイムQ10に効率的に変換されて、生体内に吸収される優れた特徴を有しています。
酸化型コエンザイムQ10と還元型コエンザイムQ10のわかりやすい動画がありますので、ご覧ください。