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適切な高血圧予防・治療で脳梗塞発症時に血流が途絶えにくくなる:国立循環器病研究センター(2019.6.14)

 国立循環器病研究センターの研究チームは、脳梗塞発症時の側副血行発達に高血圧が影響することを明らかにしたと発表しました。側副血行は、血管が詰まったり狭くなったりしたときに血流を補うために普段は使われていない周辺の動脈を通じて自然にできるパイパスです。
 対象者は2011年から2017年に国立循環器病研究センターに入院した脳梗塞患者3759人のうち、発症から24時間以内の脳血管造影検査で側副血行を評価して、脳主幹動脈の一つである中大脳動脈の主幹部が閉塞した100例。対象症例を側副血行の不良群(39人)と良好群(61人)に分類して、脳梗塞発症前の高血圧症の有無や降圧薬の内服歴、脳梗塞発症3か月後の転帰などについて解析しました。
 その結果、不良群のうち30人(77%)、良好群のうち29人(48%)が脳梗塞発症前から高血圧症を指摘されていました。高血圧症を有する患者の中でも降圧薬を内服していない患者は側副血行が改善される可能性が示され、側副血行不良群は発症3か月後の後遺障害の程度が強い傾向も示されました。