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ひさやま元気予報で将来の発症リスクを表示:福岡県(2018.10.9)

 福岡県は、九州大学と同県の久山町が60年近く続けている疫学調査・久山町研究の研究成果を活用して、入力された数値(年齢、体重、腹囲、コレステロール値など)から予測した生活習慣病の発症リスクを天気予報の形式で知らせるサイト「ひさやま元気予報」を公開しました。福岡県の情報発信サイト「ふくおか健康づくり県民運動」の「ひさやま元気予報」から利用できます。
 入力すると5年ごと10年後の生活習慣病の発症確率が表示されるとともに、運動などを行うことで見込まれる発症リスクの低下も表示されます。同性・同年代と比較した発症倍率は雷雨(6倍以上)から快晴(0.9倍以下)までの8段階のお天気マークで表示されます。
 久山町研究は、福岡市に隣接する久山町の住民が全国平均とほぼ同じ年齢・職業分布を持っていることから1961年より日本人のサンプル集団として研究しているもので、生活習慣病、認知症の研究が現在でも継続されています。九州大学が開発した生活習慣病の予測システムが使用され、久山町では2014年から、このシステムを用いて保健指導を実施しており、指導を受けた人の約6割に血糖値の改善が見られるなどの成果が得られています。
 久山町研究では糖尿病と認知症の研究も進められており、今後、認知症や不整脈の一種の心室細動、高血圧の発症リスクの項目を取り入れることが検討されています。