アルツハイマー病の悪性化に関わるタンパク質の発見:理化学研究所(2019.6.5)
理化学研究所の研究チームは、CAPONというタンパク質がアルツハイマー病の悪性化に関わることを発見したと発表しました。アルツハイマー病の病理形成機構としてはアミロイドβペプチドの沈着が引き金となって、タウタンパク質が凝集する神経原線維変化の形成、神経細胞死に至るアミロイドカスケード仮説が支持されていますが、アミロイド病理からタウ病理、神経細胞死への遷移機構は不明でした。
研究チームはインタラクトーム解析によって、CAPONがタウタンパク質と結合することを見出し、ヒトのアミロイド病理を再現するモデルハウスの脳でCAPONを強制発現させると、タウ病理と神経細胞死に伴う脳の萎縮が促進されること、逆にタウ病理と神経細胞死を再現するモデルマウスでCAPON遺伝子を欠損させると脳の萎縮が抑制されることが明らかになったといいます。