神戸大学医学部客員教授 寺尾啓二監修
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　慶應義塾大学とキリンホールディングスの研究グループは、乳由来の認知機能改善ペプチドであるβラクトリンが記憶力を改善することを確認したと発表しました。
　健常な中高年１１４名を無作為にβラクトリンが高含有のサプリメントを摂取する群とプラセボ摂取群に分けて１２週間摂取させる二重盲検試験を行い、成人知能検査を用いて記憶機能を評価した結果、手がかり再生記憶を評価する視覚性対連合試験の結果がβラクトリン摂取群で有意に改善しました。
　標準言語性対連合学習検査等の記憶検査でも、βラクトン摂取群は高い改善作用を示しました。これらは前頭葉が関わる機能とされており、βラクトリンの記憶力改善には前頭葉の背外側前頭前野の関与が示唆されます。