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主観的物忘れに関わる可能性のある脳活動を発見:立教大学・島根大学(2019.2.23)

 立教大学の川越敏和教授、島根大学の小野田慶一講師、山口修平教授は、島根大学医学部神経内科が管理するデータベースを用いて主観的物忘れと安静時の脳活動・脳容量との関連を調査して、アルツハイマー型認知症の超初期に関わる機能的・構造的に重要な脳部位を同定することを目指したと発表しました。
 データ解析を行ったところ、主観的物忘れが強い高齢者は脳の後頭・頭頂葉内の機能的結合が高いことがわかりました。脳行動データからは主観的物忘れとの関連は見られず、脳活動の変化が脳構想の変化よりも先に起きることが示されました。この成果は認知機能低下の超初期段階の検出につながるものだとされています。また、主観的物忘れが高い高齢者は現在の認知機能は低下していないものの数年後の認知機能は低下することが明らかとなっていて、主観的物忘れについて理解を深める興味深い研究と考えられています。