認知症予防の最新ニュースとイベント情報

HDLコレステロール値と軽度認知障害・認知症の関連:厚生労働省研究班(2019.1.28)

 厚生労働省研究班は、40〜59歳の約1万2000人のうち1995〜1996年の健診データがあり、かつ2014〜2015年に行った「こころの健診」に参加した1114人のデータに基づいて、HDLコレステロール値と軽度認知障害・認知症との関連を調べた結果を発表しました。
 複数の海外の研究では、HDLコレステロール値が高いと軽度認知障害や認知症のリスクが低下することが報告されており、中年期のHDLコレステロール値が、その後の高齢期の認知機能に影響を与えるかを調べました。こころの健診で1114人のうち386人が軽度認知障害、53人が認知症と診断されました。血中HDLコレステロール濃度を4分位に分け、喫煙・飲酒などの他の危険因子を統計学的に調整した後、血中HDLコレステロール値が一番低いグループを基準(Q1)とした場合の、他のグループ(Q2: 1.29〜1.50、Q3:1.53〜1.76、Q4:≧1.78mmol/l)の軽度認知障害のリスクを比較しました。
 その結果、基準と比較して、血中HDLコレステロール濃度が一番高いグループ(Q4)の軽度認知障害のリスクは0.47倍と53%の低下がみられました。認知症については基準と比較して基準以外のグループ(Q2〜4)のリスクは0.37倍と63%の低下がみられました。