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認知機能の低下を評価する有効な血液バイオマーカーの発見:筑波大学(2019.1.21)

 筑波大学は、MCBIとの研究グループによってアルツハイマー病などの認知症の発症に関わるアミロイドβタンパク質の脳内からの排出に働く3種類のタンパク質の血中量が軽度認知障害における認知機能低下、脳イメージングの変化と一致することを明らかにして、早期の認知機能低下を評価するバイオマーカーとして用いることができることを発表しました。
 この研究では軽度認知障害のバイオマーカーとしてAβクリアランスに関わるタンパク質のアポリポタンパク質、トランスサイレチン、補体タンパク質の臨床有用性が検討されました。273名の被験者を対象に血清中のアポリポタンパク質、トランスサイレチン、補体タンパク質、コレステロール量を測定して、軽度認知障害とアルツハイマー病と診断された63名の被験者を対象に軽度認知障害と脳血流量を検査しました。
 アポリポタンパク質、トランスサイレチン、補体タンパク質の比は認知機能健常者と軽度認知障害との間で有意に差がみられ、3種類のタンパク質を組み合わせたときの判別制度は約90%となっていました。MRI検査による海馬の萎縮はアポリポタンパク質とコレステロール(HDL)の量の低下と一致していました。