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アルツハイマー病の原因物質が形成される仕組みを解明:生命創成探求センター(2018.12.29)

 生命創成探求センターは、アルツハイマー病を発症させる原因のアミロイドβペプチドの凝集体が脳の細胞膜表面で促進され、βヘアピン構造を結合する構造を取っていることを世界で初めて解明したと発表しました。
 コンピュータを使った分子動力学シミュレーションと核磁気共鳴分光法実験を用いて試験した結果、アミロイドβペプチドは親水性アミノ酸残基と疎水性アミノ酸残基の両方を持っているため、細胞膜表面のような親水性・疎水性海面に存在するほうが安定であることがわかりました。さらに、アミロイドβペプチドは疎水性アミノ酸慚愧の多い範囲が二か所あり、細胞膜表面ではβ1領域と呼ばれる13-20番目のアミノ酸残基とβ2領域と呼ばれる31-36番目のアミノ酸残基の間でβヘアピン構造を水中よりも多く取っていることがわかりました。
 βヘアピン構造はアミロイドβペプチドの一部分がまっすぐに伸び、その間で水素結合を作っており、まっすぐに伸びた部分は近くに来た別のアミロイドβペプチドと分子間水素結合を作りやすく、アミロイドβペプチドが強く引き合い、大きな塊りになるために凝集しやすいことがわかりました。