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脳深部脳波とパーキンソン病の関係を解明:大阪大学(2018.12.21)

 大阪大学の研究グループは、脳深部の脳波を患者自らが制御して変える新しい技術を開発し、パーキンソン病と脳深部活動との関係を明らかにしたと発表しました。視床下核と呼ばれる脳深部の脳波異常はパーキンソン病の症状の原因と考えられていましたが、詳細については解明されていませんでした。
 研究グループは脳深部から計測したβ振動をリアルタイムで計測し、患者にフォードバックすることで患者自身がβ振動を制御することに成功し、脳深部の脳波を意図的に制御できることを示しました。さらに、β振動以外の脳活動がパーキンソン症状に大きく関与する可能性を示しました。
 研究グループは視床下核の電気刺激を治療として受けているパーキンソン病患者の脳波を、電気刺激装置の電池交換を受ける際に同電極から計測しました。さらに計測した視床下核の脳波からβ振動の強さをリアルタイムに計算し、その大きさを円の大きさとして患者に提示することにより、患者は自らの意思で視床下核のβ振動の大きさをコントロールできるようになりました。