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意識して聞かなくても知らない曲に脳が強く反応:東京農工大学(2018.11.8)

 東京農工大学のグローバルイノベーション研究院と大学院工学研究院先端電気電子部門の田中聡久研究室は、流れる音楽に集中していなくても。知ってる曲と知らない曲で脳活動に違いが現れることを発見したと発表しました。
 15名の実験参加者を対象に、動画(音を消したTVコマーシャル)と音楽(クラシックのピアノ曲)を同時に流しながら、動画に注意を向けている(音楽への集中度が低い)ときと、音楽に注意を向けている(音楽への集中度が高い)ときで同時に脳波を測定しました。音楽は40種類のピアノ曲を使い、実験参加者には聴いた後に使った曲を知っているかを答えてもらいました。
 音楽と脳波の間の相互相関関数を測定し、相関の強さ(曲と脳波が同調しているか)を測定し、馴染み度と集中度による影響を調べたところ、馴染み度は有意に相関値に影響している一方で、集中度による影響は有意に現れませんでした。そのことから、知らない曲だからより集中して聞くことになって脳活動に違いが現れるわけではなく、曲を知っているか知らないかが無意識に脳活動に影響を与えていることが明らかになりました。