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うつ病の3つのタイプを同定:沖縄科学技術大学院大学(2018.11.1)

 沖縄科学技術大学院大学は、同大学の神経計算ユニットの研究者が奈良先端科学技術大学院大学の研究者と広島大学の臨床研究医との共同研究で、うつ病の3つのサブタイプを同定することに成功したと発表しました。新たにうつ病と診断された患者と健常者、それぞれ67人の計134人の被験者を対象として、問診調査(睡眠のパターン、ストレス経験、精神・健康状態)と血液検査によって臨床的・生物学的研究、生活経歴についてデータ収集が行われました。また、MRIを用いて脳の領域の活動パターンが解析されました。
 サブタイプのうち一つは、最も一般的に処方される抗うつ剤である選択的セロトニン再取り込み阻害剤による治療が難しいことが発見されています。セロトニンは神経状態や睡眠パターン、記憶などに影響を及ぼす神経伝達物質で、選択的セロトニン再取り込み阻害剤は脳内のセロトニンレベルを高めることで効果が現れると考えられていますが、誰にも同じ効果があるとは限らず、服用しても改善されない人がいるのはタイプの違いが関係しているとしています。