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スキンケア時に肌に触れることで得られる心地よさと脳の血流変化量との関連:花王(2018.10.14)

 花王の感性科学研究所、スキンケア研究所、メイクアップ研究所は、快感情を喚起する刺激に着目したスキンケア研究を行っている中で、①顔へのハンドプレス刺激によって大脳皮質の前頭前野の血流変化が安静状態よりも増加すること、②顔へのハンドプレス刺激による前頭前野の血流変化量が大きいほど快感情の喚起度合いが大きいこと、③クリームを前腕内側に塗布するスキンケア行為のうち塗布感触の違いによって前頭前野の血流変化量が異なることを発表しました。この研究内容の一部は、日本感性工学会大会で発表されました。
 研究では、素手によるハンドプレスと、2種類のコントロール条件(ゴム手袋装着によるハンドプレス、手を顔に近づけるだけの動作)における前頭前野の脳血流変化量を近赤外分光法を用いて計測したところ、素手によるハンドプレスによって、前頭前野の血流変化量が安静状態よりも優位に増加することが認められました。さらに、素手によるハンドプレス条件と各コントロール条件の前頭前野の血流変化量の差分と、快感情評価値の差分が中程度の正の相関を示しました。
 スキンケア行為の一例として、塗布感触の異なる4種のクリームを前腕内側に自身で塗布し、その際の脳血流変化量を近赤外分光法を用いて計測したところ、感触の違いによって関心領域の血流変化量が異なることが確認されました。脳血流量変化に有意差のあったのはコクとしっとり感があり、肌なじみがよいという特徴があるクリームでした。