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抹茶の継続摂取で認知機能の実行機能が改善:伊藤園(2018.10.13)

 伊藤園は、抹茶の継続摂取で健常中高年者の認知機能の一部である実行能力(物事を迅速に判断して実行する能力)が改善することを臨床試験で確認したと発表しました。この試験結果は日本認知症学会学術集会でも発表されました。
 抹茶にはカテキンと並んでテアニンが特に多く含まれており、疫学調査によって、緑茶を多く飲む人は認知機能障害が少ないという調査結果が出ています。伊藤園の高齢者を対象とした研究でも、抹茶の継続的な摂取によって認知機能検査(長谷川式簡易知能評価スケールやミニメンタルステート検査)の結果の改善が認められていました。認知機能が低下し始める中高年者の認知機能に対する効果は明らかでなかったことから、中高年を対象とした臨床試験が実施されました。
 抹茶含有カプセル(抹茶量2g)を12週間継続摂取して、認知機能検査ツールのコグニトラックス(インターネットを通じた記憶力、注意力、処理速度、実行機能の10種類の検査)を用いて試験を行ったところ、課題遂行時間の短縮や正答数の上昇などの実行機能の向上が認められました。抹茶量2gは、茶道の薄茶点前の1杯分に相当する量となっています。