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認知症の発症率と死亡率は睡眠時間が短くても長くても高くなる:九州大学(2018.10.12)

 九州大学は、久山町研究のデータを分析して高齢者の睡眠時間と認知症・死亡の関係性を調べたところ、睡眠時間が5〜7時間未満の参照群と比較して、認知症の発症率と死亡率は5時間未満の群と10時間以上の群で高くなっていることを発表しました。
 対象者は福岡県糟屋郡久山町に暮らす60歳以上の、登録時に認知症ではなかった1517人(男性667人、女性850人)で、最長10年の追跡期間中に294人(男性110人、女性184人)が認知症を発症しました。そのうちアルツハイマー病は197人、血管性認知症は76人でした。
 BMI(体格指数)、高血圧、糖尿病、飲酒習慣、喫煙習慣などを考慮してリスクを算出したところ、5時間未満の群の認知症リスクは2.64倍、あらゆる原因による死亡のリスクは2.29倍となっていました。睡眠時間が10時間以上の群の認知症リスクは参照群の2.23倍で、死亡のリスクは1.67倍でした。認知症のタイプがアルツハイマー病だった人と血管性認知症だった人の認知症の発症と睡眠時間の関係でも同様の結果が認められました。